緊急事態への備え|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所|大阪の建築構造設計事務所

トーチカ通信

[ 2012.09.19 ]未分類

緊急事態への備え

消防自動車と救急車のサイレンが近づいてきて止まったようなので、玄関の外に出たら、目の前が真っ赤なランプの光の海。全身に緊張が走った。非常事態が発生してることだけはわかるが、何が起きてるのかは全くわからない。

遠巻きに黒山の人だかり。その中から、「洋子ちゃーん!」と駆け寄って手を握ってくれた衆子ちゃん。ドラマみたい・・と思っていたら、銀色のマントに身を包んだ消防隊の人が駆け寄って来られ、「お隣から出火しましたが、消火したのでもう大丈夫です。安心してください」と、力強いけれど落ち着いた声で言われた。

しばらくして、お隣から「ご心配をおかけしました」という電話が入った。台所から火が出たらしい。自分で消そうとしたけど消えなかったので、119番に電話したとおっしゃった。けがは無く、ご無事と聞いて安心した。

外の様子に全く気づかなかったのは、テレビの衛星放送で佐世保の特集を見ていたからだ。我が家のDVDデッキは衛星放送が録画できないので、見たい番組はそのとき見るしかないのだ。それで外に出遅れた。

いくつものことを考えた。

1. 未だに、事務所に置いている消火器を使ったことがない。やはり、練習しておくべきだ。

2. いざというとき、自分の大事なものは持って逃げることができるけど、家の大事なものがどこにあるかがわからない。母がしょっちゅう場所を変えるのでわからないのだ。たまたま両親は今日から留守になる予定だったが延期になって家にいたからよかった。やはり、日頃から確かめておくべきだ。

3. 火災保険に入っているだろうか。母に確かめると、入っているという。家財保険は?と聞くと、いっしょに入っているという。ひとまず安心した。

4. 同じ状況になったとき、消防自動車が到着するまで、どう行動したらいいのだろう。消火に努めるべきか、逃げるべきか?

先月、仕事仲間のKさんの家の前の電信柱に雷が落ちて、コンセントにつながっていたテレビやインターフォン、お風呂の湯沸かし器など、たくさんの家電が壊れたそうだ。家の中が電源喪失の事態になって、生活は1週間お手上げ。いかに電気に頼る生活になっていたかを思い知らされたと言っていた。家財保険に入ってたから、100%カバーできたと聞いて、我が家は大丈夫なんだろうか・・と思っていた矢先の今夜の事件だった。

すっかり外は落ち着いて、また仕事場に戻った。ところが、まだ少しだけ胸がドキドキしている。不謹慎だけど、銀色の頭巾に覆われた消防隊員が、ものすごくかっこよかったのだ。「大丈夫です、安心してください」と、まっすぐ見つめられた目が、今も焼きついている。スパイダーマンに救出されたような気持ち。これは心理学でいう、なんとか症候群なのかもしれない。知らないけど。

みなさん、備えあれば憂い無しです。