[ 2012.09.30 ]地下発電所
後半は税理士の話から。現在、税理士は全国で63,000人でほぼ飽和状態。平均年齢は61才。90代は約300人で20代も約300人。20代が少ないのは、合格のための勉強に 10年ほどかかるから。
会計士との違いはよく聞かれる。税理士は利益を計算して税金を納めるお手伝いをするのが仕事。会計士は監査ができる。会計士は監査法人に属して組織で動き、客観的な立場で企業の粉飾決算を調べる。税務署が利益を隠して脱税する企業を調べるのとは逆で、監査法人は、実態よりも利益があるように見せている偽装を見抜く。会計士は60才で定年。
記帳代行や税金の計算、確定申告だけが仕事ではない。税理士の仕事の面白さは、顧客である企業の中に入っていけること。税理士が経営状態を一番把握しているので、経営のアドバイスができる。提案型のサービスを提供するためには、現場を知ることが重要で、そこでサントリーでの経験が生きてくる。顧客にはビジネスで利益を上げて、気持ちよく税金を払ってもらいたい。事業の継承、組織再編も手がけている。
ここで、サントリー時代に担当された『ファーストキッチン』の再建について紹介してもらった。面白かったが、それは長くなりすぎるので省略する。
続くフリートーキングでは、ある参加者の、義務として払う税金に対して、権利として受けるサービスが足りないと感じているという意見に対し、別の方から、サービスという点では病院での子育て支援制度がありがたいという意見が出た。村上さんは税制の基本的な視点は、「公平」と「納得」。アメリカの税金は広く浅く徴収するが、日本の場合は累進課税。高所得者の所得に高い税率を課し、低所得者の税率を低くする。だから、不満は高所得者から出るほうが多いといわれた。
まちづくりには、経済の知識が必要だ。そのあたりも土地活用について簡単にレクチャーしてもらった。初参加の野村さんは丸の内の開発について研究されているので話を振ると、三井、住友、三菱のそれぞれの土地活用の特徴をわかりやすく話して下さった。
消費増税は社会保障と一体化で行うということだが、税金の使われ方は注意して見ておかないと、法改正で付け加えられた附則の一文のために、道路などの公共事業や軍備に簡単にまわされる。また、常々、日本の税金は大企業を優遇していると思っていたので、村上さんのサントリー時代の企業努力を税制が後追いして、税金を吸い上げる話は意外だった。
2次会は、約束どおり、『サントリープレミアムモルツ』を出した。今回は人数が少なめだったが、全員の顔を見ながら話せてよかったと思う。村上さん、ありがとうございました。昨夜のビールはおいしかったです。
追伸
サントリーのビールしか飲まれないのは、義理と生真面目な愛社精神と思っていましたが、「仲間がものすごくがんばってるのを知ってるから」とおっしゃってたって、スタッフの貴田から聞きました。熱い想いに納得したと言ってました。