岡山県立大学 (その1)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2012.10.10 ]構造デザイン

岡山県立大学 (その1)

友人の津田勢太さんが准教授を務める岡山県立大学で、非常勤講師として後期の授業を一緒にさせてもらっている。大学は岡山から吉備線に揺られて30分、のどかな田園風景の中にある。上の写真は講義の間のコーヒーブレイク。ミルで挽きたてのコーヒーとアウトドア用の椅子を研究室から持ち出した。時間が止まったような静かな昼下がり。風に吹かれて空を眺めていると、「ここは空が広いでしょう」と彼が言う。

津田さんとは、彼が京大の大学院生のときに、桃李舎にアルバイトに来てくれたのが出会いで、それから約20年の付き合いになる。2010年に大阪から岡山に引っ越してさみしくなったので、こうして呼んでくれて、いっしょに仕事ができるのはとても嬉しい。

講座は3回生の「建築構造計画」。私は3日間で9コマ担当することになっている。1日で90分を3コマだ。最初の1コマは私が自分の仕事を題材に講義をし、後の2コマは津田さんといっしょにする。学生は15人なので、ロの字型に机を並べると、ちょうどいい感じで向き合える。最初に、「この中で構造を専攻したい人は?」と聞くと誰も手を挙げない。今日をきっかけに、構造に興味を持ってくれたら嬉しいんだけど・・。

今年はアーキニアリング展のアイデアを拝借し、実在の建築を一つ選らんで、その構造システムを、模型とプレゼンシートで表現するのが課題である。あらかじめ、構造デザインに特徴がある建築を二人で16個選んで、彼がパワーポイントで、1作品を1枚にまとめておいてくれた。それを順番にホワイトボードに映して、2人で解説するのが2コマ目である。楽しかった。学生にとっても、講義形式で聞くより、二人の大人が構造について楽しそうに話すのを聞く方がいいに決まっている。

私たちがコーヒーブレイクの間に、学生は自分が作りたい建物を選んだ。3コマ目は学生が一人ずつ、どの建築をどういう理由で選んだかを話す。学生は15人なので、重ならないように担当を決めた後、わたしたちは、一つずつ、どのような模型を作れば、構造システムを適確に表現できるかを、学生たちの意見を聞きながらアドバイスする。これは私も勉強になる。全体の架構を作るより、ディテールに限定して作る方がいい場合もあるし、完成形より、施工手順を解説できる形がいいものもある。

たとえば、ブルージュのハニカム構造のパビリオンを選んだ学生は、パネルの補強効果を模型を作りながら調べて、自分でもパネルの形と配置をデザインしてみたいと言った。いいぞ、いいぞ、積極的だ。

津田さんは上手に学生の言葉を引き出していく。いい先生だなぁ・・と思いながら横で見ていた。次回は11月。中間発表で、再度アドバイスをする。どんなものが出てくるか楽しみだ。