[ 2013.04.23 ]本・映画・演劇・美術・音楽
週末に友人から、「お薦めです。ネットで予告編を見ずに、とにかく梅田ガーデンシネマへGO!といいたい」というメールがきた。日曜日、アドバイスしたがって、何も予備知識を入れないで映画館に向かった。
何といったらいいだろう・・・。終盤のある場面から鳥肌が立ちぱなしだった。クライマックスでは身体が震えた。音楽に興味がある人もない人も、後悔はさせないので、ぜひ観てください。
原題は、”Searching for Sugar Man”
2012年のスウェーデン・イギリスのドキュメンタリーフィルム
1970年にアメリカでデビューしたデトロイト出身のミュージシャン・ロドリゲス。ボブ・ディランに比べられるほどの高い音楽性と歌詞で、将来を期待されていたが、2枚出したアルバムはまったく売れず、音楽界から姿を消してしまう。
ところが、アメリカから遠く離れた南アフリカ、ケープタウンで、ある偶然から、彼の曲がラジオで流れる。70年代、南アフリカでは、厳しい人種差別政策・アパルトヘイトが敷かれていた。彼の政治的な歌詞は、体制に不満をもつ若者たちの心を瞬く間にとらえ、海賊版のレコードが爆発的に売れる。現在までに50万枚も売れたというのだ。
しかし、ロドリゲス本人はまったくそのようなことは知らない。鎖国状態の当時の南アフリカでは、彼の人物像や消息について、まったく情報を得ることができなかった。「ステージ上で頭を撃ち自殺した」とか「獄中で薬物中毒で死んだ」という噂だけが流れていた。
1996年に南アフリカの2人の熱狂的なファンが、ロドリゲスの足取りを辿ろうと、調査を始める。さて彼はどのような運命を辿ったのだろう。
書けるのはここまでである。どうか、映画館に行ってほしい。熱い感動のあと、爽やかな風に吹かれた気分になります。