木村正樹作品展 GLOBE Ⅳ@トーチカ (その2)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2013.06.04 ]トーチカのイベント

木村正樹作品展 GLOBE Ⅳ@トーチカ (その2)

開け放していたドアから、ふらりと人が入ってくる。一人、また一人。たまたま、その時間に居合わせた人たちが、大きなテーブルのまわりに座って、話をしている。木村さんの作品に感受性を刺激されて、たぶん、いつもより少しだけ饒舌かもしれない。私と木村さんの関係者の割合は半々といったところ。そして町内のみなさん。その人たちが、初対面にも関わらず、語り、笑い、柔らかくつながっていくのを目のあたりにして、興奮した。

テーブルでは、井戸端会議のような気楽さで、憲法や、オスプレイや瓦礫処理のことなどを話している。木村さんの作品には『核』に対するメッセージが込められているので、作品に囲まれていると、自然にそういった話になるのだが、これって、すごいことではないだろうか。

孫雅由の奥さんである桜井和子さんとは約20年ぶりの再会となった。感動の対面になると思いきや、桜井さんは昨日も会っていたようなゆる~い、でも親密な挨拶をされた。そうそう、こんな感じの人だったと思い出した。たまたまその日、私が誘った足立真知子さんが、桜井さんと京都市立芸大の同級生だったらしく、そちらは40数年ぶりの再会で、わーキャーとやかましい。そこにまた一人が加わって、「未亡人三人組」が、亡くなったご主人のことだろうか、アルコール依存症の話をしている。

木村さんの作品にはロシアのイコンがたくさん使われている。それを見て、父の知り合いの深井さんご夫妻が、私たちはロシア正教の信徒だとおっしゃる。そういう家系だそうで、そこから宗教談義となった。木村さんのご両親もプロテスタントのクリスチャンで、あとで来られた『野菜の肖像』の原田修身さんも私もそうだ。日曜日は私の教会からも年配のご婦人が3人来てくださった。そのうちのお一人は、自衛隊のイラク派兵のときに、かなり反対運動をされた方だ。この日はクリスチャン人口が多かった。

千葉で図書館司書をしておられる大澤通子さんは、初対面の第一声が、「シュガーマン、観ました」だった。ああ・・共感がさざなみのように広がっていく。きっと南アフリカでも、こんな風にロドリゲスの歌がテープにダビングされて広がっていったのだろう。案内状に「トーチカ通信」のアドレスが入っていたので、読んで下さっていると、いきなりそんな話ができるのが嬉しい。読書ノートをwebで公開されていると聞いたので、さっそくチェックすると、ものすごい読書量だ。入れ違いになったが、ofaの深川礼子さんがおられたら、きっと話が合ったことだろう。

昨年、民芸展をした平田さんのボックスアートの作品集と民芸のコレクションの写真集も一角に置いて、見てもらった。平田さんは同じ町内で、もう90歳である。私の父も含め、近所の年配の方々が、私たちの仲間に混じって話されている光景がとてもいい。このあたりはメリヤス工場が多かったこと、すぐそこに大阪砲兵工廠があったこと、大阪の空襲の話から、天皇制や強制連行の問題まで話が広がっていく。