水俣の旅は終わらない|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2013.06.02 ]森・里・海

水俣の旅は終わらない

寝不足が続いていたせいで、今朝は目覚し時計を無意識に止めて眠ってしまい、朝の礼拝に出席できなかった。私たちの教会には、仕事などの関係で参加できない人のために、夜にも礼拝(夕拝)がある。人数は多くても5~6人なので、こじんまりと落ち着いた感じの礼拝になる。

今夜は夕拝に出席した。夜の神聖な空間で、ひっそりと十字架に向き合っていると、この過ぎた1週間のうちに、いろんな出来事で乱れていた心と身体が調律されていく。

穏やかな心身を取り戻し、ふと右斜め前を見ると、初めて見かける女の人が座っておられる。礼拝が終わって、牧師がどうぞ自己紹介をと促すと、「夜行バスで今から遠方まで帰りますので・・・」と、慌しく身支度をしながら、「熊本大学で平和学を教えています」とおっしゃった。仕事でこちらに来たので、この夕拝に参加したと。

先月、水俣病のことを調べていたときに、熊本大学にこの学科があることを知って、研究室の紹介を読んだばかりだった。思わず玄関まで追いかけて、この間、水俣病資料館に行ってきましたというと、「私、水俣なんです」とおっしゃった。さっきは、東京の本郷の教会で・・とかおっしゃっていたので東京の方かと思ったが、なんせ大阪駅の夜行バスの出発まで 30分しかない。慌てて行ってしまわれた。

もっと話したかったな・・と思っていたら、バタバタと走って戻ってこられて、パッと名刺を差し出された。「熊本に来てください」と言って。石原明子さん-熊本大学大学院 社会文化科学研究科 准教授-「紛争解決・平和構築学」とある。こんな偶然ってあるだろうか。水俣の旅はまだ続いていると思った。

ネットで検索すると、「紛争解決・平和構築学」とはどういう学問かという質問に、「一言でいうと、対立や葛藤を入口にして、平和や幸せ、持続可能性への扉を開く学問です」と答えておられる。少し調べるだけでも、『原発災害後に壊される人の絆―水俣と福島に考える』というタイトルの講演も見つかった。もう少し勉強をして、もう一度熊本に行こうと思った。

あまり驚いたので、今夜のことを先に書いたが、木村さんの展覧会が無事に終わり、報告したいことがたくさんできた。お越し下さった方から、いただいたお手紙やメール、それから、金曜日の地下発電所の水俣の勉強会についても報告したい。明日の夜から、少しずつ書きます。