第28回地下発電所 映画 『日本国憲法』 (上)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所|大阪の建築構造設計事務所

トーチカ通信

[ 2013.09.22 ]地下発電所

第28回地下発電所 映画 『日本国憲法』 (上)

映画」を観たあと、一人ずつ、憲法の改正に賛成か反対かを言ってから、感想を話し、自由に意見交換をした。進行係は深川さんで、あらかじめ準備してくれた憲法の全文と、自民党の改革案、1889年(明治22年)から現在にいたる憲法にかかわる年表などの資料が配られた。以下に参加者の感想と意見を箇条書きにする。

まずは、30代~40代
・憲法をトータルに勉強できる映画かと思ったが、ほとんどが第9条に関する内容だった。
・監督はアメリカ人である。なぜ今、日本の憲法のことをアメリカ人に教えてもらう状況になっているのだろう。
・憲法は変え始めると歯止めがかからなくなりそうなので反対。
・時の政権が自分たちに都合のいいように変えることには反対。
・押し付け憲法といわれているが、憲法の成立過程の議論は重要ではない。今、この憲法がどうであるかを議論すればいい。
・国民が変えることができるということはいいことだ。今の憲法を国民でもう一度議論するいい機会。憲法を知る意味で、議論してもいいと思う。

50代
・これまで憲法を読んだことがなかった。短かいことに驚いた。自民党案はよくわからないので改正には反対。
・今ある憲法で困ることがあるだろうか。ないので改正には反対。
・自民党案の第24条が気になる。「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」が追加されたが、封建的家制度を思わす表現に違和感がある。社会保障に対する責任を国がのがれて、家族におしつけようとしている。
・憲法は国民が、国や国の権力の暴走を抑えためのもので、国が守るべきもの。それに対して法律は国が、国民に対して守るべきルールを書いたもの。それが自民党案では、憲法は、国民が守るべき義務にすり変わっている。今の憲法は変えてはいけない。

60代
・現在の憲法はアメリカに押し付けられたものである。今も日本はアメリカの植民地のようなものだ。自主憲法を一から作り直すべきだ。国を守るためには、防衛軍も必要である。
・自衛隊や警察は国民を守ってくれるというのは幻想。あるときは、国民に向かってくるものになる。警察がデモを抑え込む装置でもあることは、学生運動で実感している。
・震災や原発事故を見て、この国は人を守らないということがわかった。防衛軍を作ったからといって、どうして国民を守ってくれると思えるだろう。日本に軍隊はいらない。
・人権や自由について、外国のように国民の手で勝ち取っていないので、この憲法の価値がわからないのではないか。
・どのような憲法が、この国にふさわしいかを考えるのではなく、原発・食べもの・隣人との関係などが、どのようにあってほしいか、自分の生活を見直すとこから始めるべきだ。描いた理想の生活を実現するために、憲法がどうあるべきかを考えないと、憲法が国民の議論のレベルまで落ちてこない。
・憲法9条は、アジアの中でどのような意味をもつのか考えるべきだ。防衛軍を抱えた日本がアジアにどれほどの緊張を与えるのか。
・憲法の成立過程、とくに戦後の日本の歴史を勉強すべきだ。孫崎享の「戦後史の正体」を読まれることをすすめる。