[ 2013.11.02 ]トーチカのイベント
発端は2年前である。友人の小松慎二さんと話していたら、実家は佐賀県唐津市で、ラムネ屋さんだという。ご当地サイダーも製造しているという話になり、「この間、イチゴで作ったって言ってました」「へーっ、じゃあ桃でも作れます?」「作れるんじゃないですか」「あっ、いい事思いついた!」「えっ?」「桃李舎の25周年記念で桃のラムネ、作ります」 口数の少ない小松さんとの、たったこれだけの会話で、ラムネを作ることに決めた。
2年後、小松さんは仕事でベトナムに行ってしまったが、家業を継いだ弟の三郎さんに頼んでおいてくれた。1952年創業の小松飲料(株)は、ラムネ・サイダーの製造会社で、HPを開くと、レトロな雰囲気のラムネやサイダーの壜が並んでいて、ワクワクした。http://www.komatsu-inryo.com/
天然果汁を使うので、ラムネの壜では殺菌が難しいらしく、サイダーになった。友人が「桃李舎のサイダーなら、桃と李(すもも)のブレンドにすれば?」というので、三郎さんに聞くと、それもできますとおっしゃる。当初、桃は福島県から取り寄せようと思っていたが、すもも(プラム)を集めるのが難しく、唐津の工場まで運ぶのも大変なので、材料の調達はお任せした。
製造本数は「最小ロットが2500本です」と明るい声でおっしゃった。これは業界では信じられないくらい少ない数なのだそうだ。利益を度外視した本数なのだろう。電話口で、「2500本ですか・・」と、たじろいでスタッフの顔を見渡すと、貴田が「大丈夫ですよ」と、何が大丈夫なのかわからないがそう言う。電卓をたたいて、1ケース24本だから100ケース来ても、3段積みでガレージに置けますと言う。「では2500本、お願いします!」となった。
すぐに壜のサンプルが送られてきた。200ccと250ccの2種類だったので、25周年にかけて250cc に決めた。蓋は迷わず銀色。
次は色と味。サンプルが送られてきた。かわいらしいピンク(左)と、上品な薄桃色(右)。色は好みでいえば、薄桃色だが、お祝いの気分に合うのはピンク。事務所でも意見は半々で決まらない。姪たちに聞くと、全員、薄桃色を指して「こっちの方がおしゃれ!」と言いきった。それで薄桃色に決まり。味は、桃とすももの比率によって、甘みや酸味が変わる。これは迷ったが、桃を多めにして酸味をおさえた。炭酸も少なめで、どこか懐かしく、やさしい味になった。
ラベルは大学の演劇部の友人で、グラフィック・デザイナーの中谷さおりさんにお願いした。明治から昭和初期のラベルのイメージということで、打ち合わせをしたら、さっそく3パターン、考えてくれた。2つのうちどちらにするかで、また迷った。サイダーがおいしそうに見えるのは、右。でも、桃李舎らしくて、お祝いの華やぎがあるのは左。みんな、私が好きな方で決めてくださいと言ってくれたので、桃色のラベルにした。ラベルの紙は、三郎さんに、「水につけるとインクが滲むのでお勧めしませんが・・」と言われたが、艶のない昔風の紙にしてもらった。
素敵なサイダーができあがった。三郎さん、優しく親切に対応して下さり、ほんとうにありがとうございました。おいしいと、好評です。さおりちゃん、いつもありがとう。いい記念になりました。
パーティにお越しいただいた方には、おみやげに持って帰ってもらった。町内会のみなさんにもお配りした。道ゆく人にも配った。
みなさん、たくさんありますので、事務所に飲みにいらしてください。
ご購入をご希望くださる場合は1本200円でおわけします。売り上げは今後の社会活動の資金にいたします。