福島レポート2014(その2)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2014.06.28 ]原発・福島・東北

福島レポート2014(その2)

先週末は福島市内で暮らす友人の案内で、街歩きを楽しんできた。JR福島駅をはさんで東側は旧市街地で、県庁や市庁があり、昔の面影を残す町が広がっている。

福島県は広い。昨日紹介した「Happy」福島版を作った熊川仁美さんの言葉を借りれば、

『原発事故後の福島は、「フクシマ」という無味乾燥なカタカナで表記され、日本の都道府県で第3位を誇る広大な土地と200万人近い住民が一緒くたのネガティブなイメージで語られることが少なくない。浜通り、中通り、会津と大きく3つの地域に分かれる福島をそのように大雑把にくくり、「フクシマには住むべきではない」「フクシマの農産物は食べるべきではない」といった乱暴な主張は3年以上経った現在でも無くなっていない。』

第一原発の周囲10km圏内は悲劇的な状況が続いているが、穏やかな暮らしが営まれている福島を今日は紹介したい。

福島市内の印象は、「自然が豊かな、歩いて暮らせる街」である。今回は5回目だったが、街で電車やバスは使ったことがない。1時間も歩けば、深い森の中で、森林浴とバードウォッチングが楽しめる。阿武隈川の堤防は散歩やジョギングにうってつけ。美術館、コンサートホール、映画館、競馬場、図書館、それが全部徒歩圏内なのだ。ただ、福島の人は歩かない。皆さん移動は車だから、やたらと駐車場が大きい。

上の写真は阿武隈川沿いの「あぶくま親水公園」。川辺の葦原ではヨシキリが鳴いていた。ギョギョッ、ギョギョチー。葦に隠れて姿は見えないが、たくさんいるらしく一斉に鳴くので、うるさいほど騒がしい。大きなキジは裸眼でも見えた。ドサッドサッと飛ぶように歩き、ケーン、ケーンと縄張りを主張している。

この右手の土手を上がると、山に入る小道があって、「小鳥の森」に続く。ひんやりとした緑の中、クマゲラがコンコンコンと樹のドラムを叩き、クロツグミがソプラノで歌う。川も森も、『沈黙の春』ではなく、生命の鼓動があふれている。

写真の左手の川向こうに競馬場がある。今回、ふらりと立ち寄った。場内でのレースは無かったが、大型のスクリーンに全国の競馬中継が映し出されるので、皆さん、馬券を握り締めて見つめている。おっさんたちの、可笑しいほどの真剣さと熱気に感染して、私も馬券を買いに走った。その日は運がなかったが、広い空とみずみずしい緑を眺めながら、不思議な一体感に包まれた一瞬の高揚感は、ここに住んでいたらやみつきになるだろうな。

そこでもらったチラシに、翌日は競馬場で『福が満開 福のしま フェスタ2014』が開催されると知り、再び朝から訪れた。続きは次回です。