お祝い会のこと(その8 熊本地震)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2017.08.01 ]構造デザイン

お祝い会のこと(その8 熊本地震)

2016年4月14日21時26分、熊本県でマグニチュード6.5の地震が発生した。その28時間後、お祝い会の当日の4月16日の深夜1時25分に熊本、大分地方で最大マグニチュード7.3のいわゆる「本震」が発生した。震度7を観測した町では多くの木造家屋が倒壊し、大きな揺れが繰り返されたことで被害は大幅に拡大した。

お祝い会当日の朝、携帯電話に地震対応のため急遽欠席を告げる連絡が相次いだ。シンポジウムに登壇してもらう予定だった九州の浅田正子さんもダメだということだった。

私はクリスチャンなので、こういう状況になったことには、何か理由があるのだと考える。祝賀会には私が所属する教会の牧師が来てくださることになっていたので、最初にお祈りをしてもらいたいと思った。準備会のメンバーにメールで相談すると、すぐにOKの返事が来た。

そんな中でも定刻には会場の160人の椅子がほぼ満席になった。和田章先生と小西泰孝さんは、熊本から駆けつけてくださったと後で聞いた。半数以上は構造設計者で、九州からの参加者もおられる。心の半分は熊本にあったと思う。

北大阪福音ルーテル教会の平野義春牧師のお祈りで1部が始まった。

「天地を創造され全てを支配されている全能の父なる神様、今、私たちは、熊本地震がすみやかに収束することを願い、また被災者のために、共に心を合わせて祈ります。あなたは、私たちが弱くいつも危険の中にいることをご存知です。人の力ではどうすることもできない力があることを私たちは知っています。

地震によって多くの犠牲者がでています。家族を亡くした人々、傷を負っている人々、家財が崩壊し多くのものを失った人々、被災者に主の助けを与えてください。援助を必要としている人々に助けを、不安と恐れの中にいる人々に平安を与えてください。全ての被災者の心と体と魂を守り、希望を与えてください。

対策にあたる人々に知恵を与えてください。救援にあたる人々の安全と活動を守り、適切な救助ができますように導いてください。また私たちも被災者のために祈り、必要な助けができますように導いてください。あなたと聖霊とともに全てをおさめられる御子主イエスキリストの御名によって祈ります。アーメン。」

牧師の祈りに心を合わせた。会場は聖霊に満たされ、とても静かだった。一人ひとりの小さな祈りが一つになって、南に向かって流れていった。