[ 2019.11.29 ]結婚式ができるまで
10月19日は12時から14時半までドーンセンターで結婚式。15時半からモータープールで宴会という2部構成とした。2会場の移動は車で10分だが、結構忙しい。
ウズラボには結婚式と、そのあとの立食パーティの2パターンのデザインをお願いした。詳細はこうである。「結婚式はバージンロードの両側に椅子を並べて、正面に十字架。それを短時間でパーティ空間に転換しないといけません。パーティといっても、コーヒーとケーキ、サンドイッチとワインぐらいの軽食で、落ち着いた茶話会みたいなものです。ご高齢の方も多いので、椅子はたくさん必要。でも自由に移動できるようにしたいのですけど、どんなレイアウトが考えられますか?」
ドーンセンターでは、椅子やテーブルや机は自分たちで倉庫から出してセットし、終わったら元に戻して、ゴミは全部持ち帰らないといけない。他にも細かなルールがたくさんある。
難しいことをお願いしているのに、小池さんはいつも落ち着いてニコニコされている。「イメージに関して、桝田さんが思いつく写真やエピソード、物語など教えてもらえたら、それをもとにアイデアだしてみます」と、こちらの想いに耳を澄ませて、心を合わせてくださる。
私は教会の宗派のこと、礼拝の進行やスタイル、バージンロードの形式などを伝えた。式の奏楽はノルウェー人の宣教師、お花は白とグリーンを基調に友人がたっぷり準備してくれること、十字架を作る木は私が用意しようと思っていることも。
最初に小池さんからメールで届いたのは、ふわふわ浮かぶ白い風船の写真だった。それはかつてお寺で結婚式を挙げる友人のために、石畳のアプローチを演出したものだった。白い風船が真っ直ぐに並んで、左右に揺れながら、奥へと導いていく。幻想的で美しかった。「いいですね!」とすぐに電話をした。もう何も言わなくても、ウズラボなら大丈夫だと思った。白い風船とは、誰が思いつくだろうか。ユニークだ。ローコストで演出するところに知性がある。素敵じゃないか。
ドーンセンターの机は会議用の長机なので味気ない。私の家には幅1.4mのロールの布が山ほどある。町内のエプロン工場が閉鎖になるときに、頂いたものだ。それをテーブルクロスに使おうと考えていた。「ベージュはどうでしょうか?」というと、スタッフの真砂さんが、いいと思います!」と笑顔で頷いてくれた。
小池さんは「椅子が黒なので、カバーしたいと思ってたんですが、その布を使わせてもらっていいですか?」とおっしゃって、さっそく小池さんと真砂さんが椅子を並べて布を掛けると、ぱっとやさしい表情になった。遠目には白木の長椅子のように見える。あるものを生かすのはウズラボの真骨頂である。
そうして礼拝堂ができあがった。ウズラボの魔法だ。
撮影はNOG