生物多様性のこと@丹波の里山(追記)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所|大阪の建築構造設計事務所

トーチカ通信

[ 2013.01.25 ]森・里・海

生物多様性のこと@丹波の里山(追記)

生物多様性のこと@丹波の里山(上・中・下)を読んで下さった皆さまへ

宮川五十雄さんが、このブログを読んで、とても丁寧なコメントを投稿して下さいました。 そして、「いくつか、文中で誤解を招いては勿体ないと存じますので・・」という前置きがあって、修正した方がいいところを教えて下さいました。「非公開」で投稿して下さったのは、私へのやさしいお心遣いだと思います。

本文は修正済みですが、宮川さんの言葉を正しく、お伝えしたいので、ここに抜粋してまとめました。読んで下さい。申し訳ありません。

1.土栗の紹介
修正前:「雨だれが落ちると、穴があく」
修正後:「雨だれが命中すると、穴から胞子が噴き出す」

宮川さんのコメント
★詳しくは存じませんが、恐らく、胞子が成熟すると、皮が自然に破れてくるのだと思いますので、穴が開くのが先か、雨だれが命中するのが先か(雨だれがきっかけで破れることもある?)わかりません。

2.ヒノキの落ち葉について
修正前:「ヒノキは一枚ずつ落ちて密着して積もる」
修正後:「ヒノキの葉は1~2㎜のウロコ状で、それが一つずつポロポロ落ちて積もる」

宮川さんのコメント
★これは諸先輩方のトークの受け売りですが、ヒノキの葉のイメージを伝えるとき、「一枚」というより「小さなウロコやビーズのような粒一個」という表現の方が実際に近い想像をしてもらえる、と習いました。

3.牛が踏む
修正前:「カヤを田んぼに鋤き込むときは、昔は牛に踏ませていたのですが、牛のお陰で蛇が減るのです」
修正後:「カヤを田んぼに鋤き込むときは、昔は牛に踏ませていました」

宮川さんのコメント
★「牛のお陰で蛇が減る」とおっしゃる方も居るようですが、私はそうは思っておりません。丹波はむしろ、もともと汁田(しるた、じるた =湿田)が多いうえに、積極的に畦に石垣を積んだり、有機肥料を汁田に放り込んで蛙などの餌を増やしていたので、牛くらいでは蛇が減らない水田だったろうと思います(笑)。

★カヤ以外に、刈って積み干しておいた柴もダイレクトに田んぼに入れて、牛に踏ませていたようです。昔は田んぼの施肥はこの冬場の牛に踏ませた分だけだったそうですから、枝の形のまま踏み込むことで、遅効性の一年分の肥料としていたんでしょうね。

修正は以上です。

あの山歩きは発見と驚きの連続でしたが、クライマックスは、1.の土栗との出会いでした。宮川さんは生物の生態を、専門家として、きちんと解説して下さったはずなのですが、私は、一滴の雨だれの、小さな小さな重みを想像したとたんに、森に生きる小さな生物の営みが、たまらなくいとおしく感じられて、センチメンタルになってしまいました。私が情緒的に解釈してしまったのだと思います。

このレポートは、野帳のメモとスケッチをもとに書き起こしました。3.の牛に踏ませる話と同じページに「へびが減った」というメモがあって、結びつけてしまいました。そういえば、「蛇が減る」のは別の文脈で聞いたような気がしてきました。

宮川さんへ
どうもありがとうございました!「森聴きツアー」ぜひ、また参加させて下さいね!