福島レポート2012年夏 (その4)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2012.09.24 ]原発・福島・東北

福島レポート2012年夏 (その4)

これは南相馬市の海岸部、鹿島区南海老のあたりだと思う。左手の根元から折れた防波堤の向こうが海だ。津波は防波堤を軽々と越え、黒い水が平坦な大地をなめるように走った。

次に南相馬市役所の復興企画部 除染対策課を訪ねた。職員の方が熱心に対応して下さった。聞いた話をかいつまむとこうなる。

「除染計画を策定しHPで市民に広報している。生活圏の質を向上させるために、国の除染範囲と重ならないところを行政で除染する。生活圏とは、宅地、道路、家から周辺約20m以内の屋敷林を指し、2年間で除染する。年間被爆線量は1msv未満、空間線量は0.23μsv/h未満とするのが目標である。しかし汚染土を保管する仮置き場が地元の反対でなかなか決まらない」

「市民参加の除染には、団体に対して補助金を出す。目的は子どもたちが過ごす時間が多い通学路や公園の放射線量を低減するためである。行政区やPTAなどがボランティアで側溝の清掃や草刈りなどを行う場合、その活動にかかる経費に対して、1団体あたり50万まで出せる」

「東電から一人当たり1ヶ月10万円の補償が出ている。家族4人なら年間480万円。ここでは高所得だが、魅力ある雇用を生み出し、補償は打ち切る方がいいと考えている。沿岸部は線量が低いので、新エネルギーの開発は進めていけると考えている。」

「まち家具」についての感想はこうだ。

「震災でコミュニティは崩壊している。集客を狙った日替わりメニューのイベントはあるが、それは一過性のもの。我々としては継続的な取り組みを望みたい。子供という着眼点はいい。公園が子供にとって安全な場所になれば、孫が、親や祖父母を連れてくる。まず、公園が子供にとって、魅力ある場所になるかどうか」

「公園は不特定多数の人が出入りする。100人のうち、一人でも苦情が出れば、行政の立場としてはNG。時限立法で公園法を緩和し、被災地に限定した公園の使い方を提案するという方法もある。」