福島レポート2012年夏 (その7)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2012.10.21 ]原発・福島・東北

福島レポート2012年夏 (その7)

南相馬市ふるさと回帰支援センターは、NPO法人ふるさと回帰支援センターとの連携によって成立している。地域の人口の増加と活性化のために、二地域住居や田舎暮らしを希望する人々に対し、定住のための受け皿づくりや多様な情報の提供などを行っている。テキパキと仕切っていた職員の鈴木さんは、外部から入っていると言っていたので、たぶんNPOのメンバーではないかと思う。

NPOのふるさと回帰支援センターのHP http://www.furusatokaiki.net/を見ると、『国民一人ひとりが、多様で新たな価値観のもとに従来の働き方や生き方を見直し、地方で働き生活することで豊かさを実感するとともに、農林漁業など第一次産業と働く人々の労働が再評価されること、さらに故郷(出身地にこだわらず)への回帰・往還運動として、自然豊かな地方で暮らしたい人がそこで 暮らすことのできるネットワークの構築をめざします』とある。

話を聞くと、震災後、もともと福島に縁がなかった若い人が、南相馬で暮らし始めているらしい。震災で価値観が変わり、田舎で生活をしようと思ったときに、福島だと考えたのだそうだ。中には、ここに起業のチャンスがあると考えている人もいる。ソーシャルビジネスのサポートはセンターの願うところだ。「みんな共和国」のリーダーも福島の人ではないが、ここに住んで、個人参加のボランティアをまとめている。

日本におけるNPO法人制度は、阪神大震災が発生した1995年に衆議院に提出され、3年後に成立した。阪神大震災では、個人や任意のボランティア団体を含め延べ100万人を越えるボランティアが復興のため集まったといわれている。自発的な市民団体の支援活動を迅速に推進するために、新しい法整備が必要になり、市民と国会議員が共同で作った議員立法による画期的な法律である。あのときは辻元清美ががんばった。あれから14年。

初期のNPOやボランティアグループの活動は、行政などの既存のセクターの機能の補完という形をとっていたけれど、今、福島で動いているNPOや市民グループの活動は、末村祐子さんの言葉を借りれば、「補完というような付随的な発想ではなく、既存のセクターに何が足りないのか自ら認識して、人が安心して心地よく暮らすためにどうすべきかを原点に、既存の資源を再構築し、掘り起こし、生かすという能動的な市民セクターの活動」になってきている。

都心部では反原発デモが続いている。阪神大震災、東北の大震災、原発事故を経て、お仕着せの民主主義から市民が参画する社会に、日本は変わり始めたと肌で感じた福島の旅になった。

参考:末村祐子さん http://tochikaima.exblog.jp/15425245/