あまちゃん 鈴鹿ひろ美の「潮騒のメモリー」|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2013.09.26 ]未分類

あまちゃん 鈴鹿ひろ美の「潮騒のメモリー」

9月25日放送のあまちゃんは、実質的な最終回だったと思う。
出だしの、・・♪I miss you・・の1フレーズに、さっと鳥肌が立ったと思ったら、一気にドラマの中に引き込まれた。海女カフェの観客の一員になって、夏バッパたちと同じような目で、鈴鹿ひろ美を見ていたと思う。

♪置いてゆくのね さよならも言わずに
再び会うまでの約束もしないで
北へ行くのね ここも北なのに
寒さこらえて波止場で待つわ
潮騒のメモリー 私はギター
Aマイナーのアルペジオ 優しく
来てよ その火を 飛び越えて
夜空に書いたI’m sorry
来てよ その川乗り越えて
三代前からマーメイド
親譲りのマーメイド
(歌詞 宮藤官九郎)

「三代前から・・」と歌詞を変えたところで、ぐっと来て、不覚にも涙がこぼれた。クドカンにやられた。何にそこまで感じたのだろう。鈴鹿ひろ美を見ながら、セーラー服を着た10代の薬師丸ひろ子を重ねていた。歌詞にあわせて、挿入されるドラマの過去のシーン。たぶん、そのシーンを見ながら、ほんとに見ているのは過去の自分がいたシーンなのである。17才の頃、そして一気に飛んで、震災前後の日々、そして現在。たった5分の間に、数え切れないシーンと想いが交錯する。

音痴というドラマの設定上、懸命にまっすぐに歌う鈴鹿ひろ美の姿を、どこか祈るような気持ちで応援していた。一方で、そのどこか抜けた不器用な真面目さを自分に重ねている。あの5分間は、完全に、海女カフェの客席の一体感の中にいた。

『あまちゃん』は、注意深く、でも鋭く、果敢に東北の震災を描いたドラマだった。これの他に、震災を描いたドラマを私は知らない。「原発」や「福島」という言葉が一度も出てこなかったことへの不満はある。これがNHKの限界だ。でも、それは誰しもが感じただろう。完全に抹殺されたことで、逆に強く意識されたと思う。不満はあるが、それでも朝からよく笑い、感動した。元気になれるドラマがもうすぐ終るのが残念だ。