大人の文化祭2015の報告|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2015.10.12 ]トーチカのイベント

大人の文化祭2015の報告

大人の文化祭は日焼けするほどの晴天に恵まれ、2日間の来場者は137名で、延べ人数では約170名になった。出品者は33名で、ほとんどが初対面だったが、のんびり店番をしながらお互いの作品を紹介しあって仲良くなった。金曜の夜の設営から日曜の夜の撤収までは合宿状態で、この感じは何かに似てると思ったら、やっぱり学生時代の文化祭だった。

入場券は街頭で買った最新号のビッグイシューというルールにしたので、小脇にかかえたり、丸めて持った人が、小さな葉書の地図を見ながらやって来られる。大阪市内だけど、国道を一筋入ると静かな住宅街である。小さな場所に人が集まると、自然に街路に人が溢れて、男が3、4人も集まれば酒盛りが始まり、通りすがりの人も覗きにこられる。そこには昭和の空気が流れていた。

この通信で、ときどき「昭和」という言葉を使うのだけど、それは手法がアナログで、人と人との距離が近くて「おせっかい」がやけた時代の空気を懐かしむ気持ちが書かせている。トーチカにご近所さんが入って来て下さると、玄関に鍵をかけないで暮らしていた良き時代を思い出す。

ビッグイシューのバックナンバーや、出版物もトーチカで販売した。それは街頭の販売員の利益に反しないかとNPOビッグイシュー基金の川上翔さんたちと話し合ったが、基金へ寄付すると広い意味で販売員のサポートになるということで解決した。バックナンバーはよく売れて、売上金34,150円はすべて寄付した。「初めて買いました」という方も意外に多く、今後の購読に繋がりそうだ。入場券がビッグイシューというアイデアは運営者にも好評で、東京のイベントでもやってみますと言われた。

土曜の夜は7時からミニライブを予告していた。夕方ちょっとした用事で出かけて、7時前に戻ってくると、トーチカにさっきまでとは違う熱気が漂っている。皆さん缶ビール片手に、ステージを楽しむ気まんまんでスタンバイされているのだ。ライブといっても、出演者は山浦さんと、つじみちえさんと私の3人。しょぼいライブなのに、期待がものすごく膨らんでいる。

「どうしょう・・みんな勘違いしたはるわ・・」とつぶやくと、山浦さんがあわてて「皆さん、今日はあくまで文化祭、これは発表会ですから」と言ってくれたが、さらに盛り上がる。山浦さんはウクレレでビートルズメドレーを歌い、つじさんと私は2曲歌った。1曲目のClose to Youはあがってボロボロ。2曲目のLoveは開き直って少しまし。アンコール曲は用意してなかったので、フラダンスを即興で踊ってなんとかし、皆さんの飛び入り出演(私たちよりずっと上手!)もあって、ほんわかしたライブになった。

2日目の日曜日は私の通う教会のインドネシアのクリスチャンの人たちが、飛び入りで賛美歌を歌ってくれた。看護士の卵で日本の国家資格をとるため日本語を勉強中である。トーチカでは日曜の午後1時~3時までボランティアでそのサポートをしている。一緒に看護士の試験問題を解くのでこちらも勉強になる。いかがですか?サポータ。募集中なんですけど。

今回の出品者の中には、福島から滋賀県に避難されている青田恵子さんがおられた。今の想いを古布で絵と詩に表現されていた。消費者情報の原田修身さんは、福島の今を「Fkushima Blue」という写真のシリーズで見せてくださった。このトーチカは東北の大震災の直後にいろいろな思いを込めて作った場所だ。こんな風に広がりのある場所になり、作ってよかったとつくづく思う。

出品者の皆さん、お会いできて嬉しかったです。ありがとうございました。また遠方から足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。持ち込み企画の主催者である山浦晋弘さん、奥田弥生さんお疲れさまでした。好評だったので、しんどかったけどまたやりましょか。お二人に作ってもらったTeam 0107(おとな)のスタッフTシャツは次回に残しておきます。