2017年の出来事 沖縄(上)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所

トーチカ通信

[ 2018.01.14 ]森・里・海

2017年の出来事 沖縄(上)

JSCA(日本建築構造技術者協会)の九州支部の構造デザイン発表会に数年前から参加するようになり、沖縄の会員の皆さんと親しくなった。沖縄で講演を依頼して下さったが、琉球大学のカストロ・ホワン・ホセ先生が、できれば学生も参加できる形を希望されていると聞いたので、2部制で、講演会+学生を交えたシンポジウムをしてはどうかと提案した。懇親会はぜひビーチでビアパーティを!と言い添えて。

福岡から日本設計の今林光秀さんが急遽参加して下さることになったので、2部の司会をお願いした。学生にはパワーポイント3枚で「過去・現在・未来」というテーマで何でもいいから日頃考えていることをプレゼンしてもらうことにした。あらかじめ二人で学生が提出したPDF全部に目を通し、9人に絞って発表してもらい、そのあと全員前に出てディスカッションという形をとった。選ばれなかった人のパワーポイントもパッパッと今林さんに紹介してもらうことにした。

この企画をセッティングしてくださった国建の花城和雄さんが、講演会ではぜひ沖縄の「かりゆし」を着て下さいとおっしゃって、構造設計部の宮城純子さんがデパートで買って空港まで持って来てくださった。さっそく空港の洗面所で着替えて、私はかわいらしいピンクのかりゆしウェアで大学に向かったのである。

7月初旬の沖縄は日差しが強かったが、想像していたより湿度が低く、乾いた風が吹いていた。大学の中は緑が多く、亜熱帯の濃い緑の植生は異国のようだ。太陽の光にあふれていて、ピンクのかりゆし効果もあり、解き放たれていくような自由な気持ちになった。(上の写真は講演をした琉球大学の校舎である)

学生は「過去・現在・未来」というテーマに沿って、研究のこと、沖縄のこと、自分のことを話してくれた。物怖じせずのびのびと発言するのが嬉しい。沖縄の建築や歴史は知らないことが多く、学ぶいい機会になった。

その日の夜はJSCAの沖縄の皆さんが大宴会を催して下さってとても楽しかったが、翌日のビーチパーティがほんとによかった。

リゾート地の海といえば泳ぐものだと思っているが、沖縄の人は海は眺めるもので、海岸はビールを飲むところであるらしい。でもなんていったって沖縄である。私はビールの量を控え、買ったばかりのビキニで泳ぎ、濡れたままでバーベキューのお肉をパクついた。椰子の木陰に吹き渡る潮風、波の音、エメラルド色の海。海を眺めてビールでぼーっとしていると、体が弛緩して、心からリラックスしているのがわかった。私の体が喜んでいて、こういうことが時には必要だと痛感した。それもこれも、沖縄の皆さんの温かい心づくしのおもてなしのおかげである。思い出しているとまた感謝の気持ちが湧き上がってくる。