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トーチカ通信

[ 2012.02.14 ]本・映画・演劇・美術・音楽

居酒屋社会の経済学

昨夜はブライアン・アダムスのライブに行った。会場は大阪城ホール。開演ぎりぎりまで仕事をして、チケットと財布だけポケットに入れて、タッタッタと走れば10分で到着する。大阪城ホールは1988年のミック・ジャガーのソロ・ライブが最初。30回以上は行っている。

ストーンズをはじめ、好きなバンドのほとんどが還暦を越える中、ブライアンは1959年生まれ、同い年である。デビュー以来、会場は大きくなっても、高校の文化祭で軽音の友達のバンドを見てるという感じは変わらない。昨夜も黒いTシャツとジーンズでギター片手に登場し、一度もバックステージに下がらないで、2時間15分歌い続けた。ライブスタイルは変わらない。バンドのみんなが下がっても、一人残って、アコースティックギターで、3曲歌ってくれた。サービスというより、自分が歌いたいんだと思う。形式化したアンコールは無し。ブライアンはいい。近所にこんな友達が住んでくれてたら嬉しいなって思う。

帰りは一緒に行った演劇部の先輩と二人で、京橋の創業昭和27年という立ち飲み屋で、串カツで熱燗のコップ酒を2杯、気分よく飲んで帰った。

職場と住まいが近接し、歩いていけるところに、コンサート会場、美術館、教会、郵便局、安い居酒屋がある。幼稚園から高校まではすべて歩いて通った。エネルギーをあまり使わず、快適に暮らしている。

レオポルド・コールの『居酒屋社会の経済学』は、大きくなり過ぎた国家の規模に対する批判の書だ。1955年に書かれているので予言の書ともいえる。心がふれあえる小社会への復帰を説く文章を、昨夜、ほろ酔いの頭で思い出した。