トーチカができるまでのこと (その13)|トーチカ通信|桃李舎一級建築事務所|大阪の建築構造設計事務所

トーチカ通信

[ 2012.03.24 ]トーチカができるまでのこと

トーチカができるまでのこと (その13)

天井が低いので、テーブルの高さは通常より少し低めの66cmにした。これは我が家のダイニングテーブルの高さと同じだ。落ち着ける高さで気に入っていた。しかし、脚のデザインが難しくて悩んでいた。テーブルの天板と脚は取り外し可能で、テーブルを片付ければ、スタジオのように使えるようにしておきたかったからだ。

大工の元井(もとい)さんは、下の写真のように、スギの一枚板を、合板で簡単に作った脚の上に仮置きして作業台に使っていた。毎日眺めているうちに、これでいいと思えてきた。結局、、同じ要領で作ってもらうことにした。2枚の合板に互いに切れ込みを入れて、十字に重ねるだけ、その上に天板を載せておしまいである。

椅子もまた散々迷ったが、テーブルが決まったので、それに合うものを選べばいい。さらにスタッキング(積み重ね)ができる椅子となると、だんだんと絞られてくる。それでも調べだすとキリがない。いいものは値段も高い。数は30個そろえたいから失敗できない。

ようやくシンプルな丸椅子に決めた。すると今度は色である。ナチュラルブラウン、ライトブラウン、ブラウン。そこでもまた迷う。結局、今度もIKEAの丸椅子に決めた。しかしテーブルを買って返品したばかりなので、決断に自信が持てない。そこで高岡さんに相談すると、「色は明るい方がいいですね。これならいいでしょう」と即答してくれた。建築家はすごいと思った。全く迷わない。

桃李舎のみんなでIKEAの倉庫から30脚運び出した。自分たちでレジに運んで精算し、ワゴンに載せて駐車場に直行して持ち帰る。組み立ては自己責任。このシステムだからこそこの値段で売れるのだ。丸椅子は1脚999円!なのである。

組み立ては父にまかせた。写真のパンケーキのようなおいしそうな丸い板が椅子の座面である。そのとき手間がかかったのは、脚の調整である。IKEAの椅子の高さは45cm。 テーブルが低いのであと5cm低くしたい。組み立て前に、脚の切断を元井さんにお願いした。切りっぱなしでは、ひきずったときに角が割れるからといって、面取りもして下さった。