[ 2014.08.24 ]原発・福島・東北
現在の放射性セシウムの基準値は、飲料水10、乳製品50、一般食品は100ベクレル/kgである。これは、大人が毎日食べ続ける食品の半分がこれだけの放射性セシウムを含んでいたとしても、その食品に含まれる放射性セシウムから受ける影響が年間1ミリシーベルト以下になるように定められた数値である。
ところで、私たちが大昔から食べてきた食べ物には天然の放射性物質が含まれている。カリウム40が最も多く、生わかめ、ほうれん草には200ベクレル/kg、キャベツには70ベクレル/kg含まれており、平均的な成人男性の体内には約4000ベクレルのカリウム40が存在する。もともと日本人の食べ物による被爆量は年間0.3ミリシーベルトである。
コープふくしまでは、全国の会員の協力を得て、2日間で6食分の食事に含まれる放射性物質の量を測定し、HPで公開している。福島県の場合、100家庭のうち放射性セシウムが検出されたのは4家庭で、その量はカリウム40の約1/14、内部被爆量は最大で年間0.04ミリシーベルトであることがわかった。100家庭のうち9割が福島県産の食材を使っている。http://www.fukushima.coop/kagezen/2013_02.html
天然のカリウム40も、原発事故で放出された放射性セシウムも、線量が同じなら、体内での影響は同じである。
以上の事実が、たとえ1kgあたり10ベクレルのセシウムを含む桃をお腹いっぱい食べたとしてもなんら問題はないと考える所以である。
限りなく小さいけれど、健康リスクは増えたかもしれない。それでも、真夏の太陽を浴びて、田んぼをわたる風に髪をなびかせ、ともぎたての桃を友と頬張る喜びと交換に回避しなければならないリスクとは思わない。運動不足でストレスの多い都会生活の健康リスクの方がよっぽど大きく、リスクはトレードできたと考えている。来年、福島の果樹園で桃狩り、いかがですか?
参考:「食品と放射能 Q&A」消費者庁 平成24年8月