[ 2022.03.03 ]桃李舎日記
ちょうど1年前に実施設計を行っていた保育園が竣工しました。
今日はお披露目会です。
敷地は浪速公園の南東角。公園の中に建つ珍しい保育園です。
入ると目の前には縁側が。園庭に面しており、その先には公園が見えます。
子どもたちが園庭に出やすいよう、柱を立てずに3mの庇を支えています。
1階の廊下。左手に保育室が並びます。
ほぼすべての扉についている謎の棒と孔。
園児が手を挟まないようにするためのドアストッパーなんだそうです。
あらゆる場所で保育園ならではの工夫が凝らされていて、感動しました。
階段。根太を逆梁のようにしているので裏面はフラットです。
踊り場の突き当りに受梁が配置できなかったため、ササラを上部の大梁から吊っています。
2階。なんだか懐かしい気持ちになります。
「この懐かしさはなんやろう?」「色味ですかね?」と桝田さんと話していたら、
隣で見ていた意匠の方が
「この腰壁に囲まれた感じが、学校っぽいからそう思うのかもしれませんね」と。
確かにこのかんじ、小学校を思い出しているのかもしれません。
4歳児と5歳児の保育室は、大きな山形の欄間+可動式の吊戸で仕切られています。
欄間の下には柱を配置できないので、上部大梁からの吊構造です。
欄間にはガラスが入るため、面外の変形を抑えるように鴨居や方立の中に鉄を仕込んでいます。
天気は雨でしたが、ハイサイドライトから入る光で、照明を付けなくても明るい空間でした。
竣工写真を入手したらプロジェクトページにアップしますので、またご覧ください。
吉村